【グローバルアイ】日本で地震と共に生きる方法
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.05.06 10:11
「自然に勝てないことを悟りましたよ」。66歳の日本人男性が話す。生涯を海辺で生きてきて、4年前にあらゆるものを失った。妻や母親、孫は津波に巻き込まれた。22メートルの波が6.4メートルの堤防を越えて村を飲み込んだ。住民1280人が亡くなったり行方不明になったりした。だが彼は、村の前に高さ14.5メートルの防潮堤をつくることには反対だ。海が見られない。愛する孫が「おじいちゃん~」と呼びながらすぐにでも赤浜近海から泳いで出てくるかもしれないから。海岸道路を高さ11メートルに上げて建設する案もうれしくない。「それでも自然に勝つことにはならない」。彼はぼうぜんと海を眺める。
今月2日、東京の新宿でドキュメンタリー映画『赤浜ロックンロール』が初上映された。2011年の東日本大震災の時に大きな被害を受けた岩手県大槌町の赤浜の住民たちの困難に満ちた復旧過程を描いた。映画の後半、村ではロックンロール祭りが開かれる。痛みを乗り越えて希望を歌う。30代の漁師は「海は農場と同じだ。海を離れては生きられない」と話す。監督の小西晴子氏は「秋にサケが川に戻るように故郷に帰れ」と話していたある住民を、忘れることができないといった。日本人にとって自然は、帰るべき故郷だ。