【コラム】韓国文学翻訳院、独立VS統合
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2015.04.15 14:21
13日、韓国文学翻訳院(キム・ソンゴン院長)にうれしいニュースが入った。2010年に翻訳費と出版費用を支援して昨年日本で出版された小説家パク・ミンギュ氏(47)の小説集『カステラ』が第1回日本翻訳大賞の受賞作に選ばれた。韓国とは違い、日本では名のある文学賞の受賞が本の販売増加につながったりする。だが『カステラ』が「受賞特需」を享受するかは未知数だ。読者の好奇心を引く賞の権威は一日では作られない。しかし世宗(セジョン)大学日文科のパク・ユハ教授は「とにかく良いことだ」と評した。それだけ読者に近づきやすいだろうし、そうでなくてもぎすぎすした韓日関係を考慮すれば、さまざまな面で喜ばしいことではないかという話だ。あにはからんや「嫌韓書籍」などが売れる日本の書店の一角に、なかなか良い韓国小説1冊が「良い翻訳」という札をつけて置かれている場面は想像するだけでも幸いだ。
普段なら両手を挙げて歓迎するぐらいのことかもしれないが、この頃の翻訳院はひたすら喜ぶ余裕がない。機関の存立そのものをめぐって険悪な話が翻訳院の内外から聞こえるからだ。うわさの発信地である企画財政部は違うと主張している。だが翻訳院を一部機能が重なる韓国出版文化産業振興院に統合しようとしている話がじわじわと広がっている。翻訳院が憂慮していた通り、独立性を失って振興院に統合されれば一部の運営人材の減員は避けられないだろう。何より翻訳院が振興院の本部規模に縮小・編入される場合、翻訳院の主張どおり韓国文学の翻訳支援という核心機能が萎縮する可能性も大きい。