情報技術（ＩＴ）業界は変化がそのまま産業の特性になった。そうした理由でモバイルワールドコングレス（ＭＷＣ）の内にも外にもＩＴ巨人が新たな活路を模索するための努力が続いた。

ＬＧ電子はＭＷＣですぐに活用可能なインターネット（ＩｏＴ）時代を提示した。主演はスマートウォッチの「アーベインＬＴＥ」、助演は高級車両であるアウディだった。自動車のキーがなくアーベインだけ身につけて運転席に座り始動ボタンを押すとすぐにアウディのエンジンがかかった。運転席のドアロック装置の操作もこの時計でできる。無電機機能も搭載した。複数の人が時計に向けて話をすれば多者間対話が可能だ。だれがどこで話しているのか位置情報も知ることができる。曲面スマートフォン「Ｇフレックス２」と防犯カメラを連動させ、家に入ってきた見知らぬ人を知らせたり、エアコンや照明などを遠隔でコントロールしたりする技術も公開した。ＬＧ電子ＭＣ事業本部のチョ・ジュンホ本部長は、「スマートフォンとスマートウォッチが多様な機器と連動する時代に差し掛かっている。ＩｏＴ関連技術を強化して市場をリードするだろう」と話した。

モバイル時代に一歩遅れて参入した企業はＭＷＣを反撃の足がかりとしている。

ソニーは１０．１インチのタブレットＰＣでは最も薄くて軽い「エクスペリアＺ４」を公開した。厚さは６．１ミリメートル、重さは３９３グラムにすぎない。８００万画素カメラも裏面に付けられた。ソニーは普及型スマートフォンである「エクスペリアＭ４アクア」も公開した。

ノキアを買収したマイクロソフトは中低価格スマートフォンである「ルミア６４０」と「ルミア６４０ＸＬ」を公開した。来月発売されるルミア６４０の価格は１５９ユーロ（約２万１２４５円）水準だ。マイクロソフトが中低価格携帯電話を出すことについてフィナンシャルタイムズは、「アップルとグーグルのスマートフォン基本ソフト（ＯＳ）に対抗しウィンドウズＯＳのシェアを高めるためのもの」と分析した。

スマートフォン核心部品の発熱議論で体面を汚したクアルコムは指紋を超音波で認識する技術（スナップドラゴンセンスＩＤ３次元指紋技術）を公開した。指を認識装置に当てなくても指紋を認識する技術だ。手に汗をかいたり異物が付着するとうまく認識できなかった既存技術の限界を超えたのだ。

新事業進出を本格化したＩＴ巨人は多かった。グーグルのスンダー・ピチャイ首席副社長はＭＷＣの基調演説で、「格安携帯電話事業に進出する」と明らかにした。彼は「グーグルのアンドロイドＯＳで実行する新技術をさらに積極的に拡散するための目的」と説明した。米経済専門紙ビジネスインサイダーは、グーグルがソーシャル・ネットワーキング・サービス（ＳＮＳ）市場への進出も本格化するだろうと伝えた。

アップルはＭＷＣには来ていないが、スイスでスマートフォンや時計などとなっていた事業目的に自動車を追加した。先月米サンフランシスコでは「タイタン」と呼ばれるアップルの無人自動車が試験走行をする場面が捉えられたりもした。