２７日午前７時、ソウル朝鮮ホテル。韓国経営者総協会フォーラムに中堅・中小企業の最高経営責任者（ＣＥＯ）１００人余りが集まった。前日発表されたサムスンとハンファのビッグディールが最も大きな話題だった。しかし表情は明るくなかった。「韓国経済緊急診断」と書かれたフォーラムのテーマがＣＥＯの心情を代弁しているかのようだった。企業の事情をよく知る３つの経済団体の副会長間の討論からは切迫した状況が感じられた。イ・スンチョル全国経済人連合会副会長は「不況がゆっくりと近づき、不況を認識できなかった人が多い」と話した。イ・ドングン大韓商工会議所副会長は「２０１１年以降、韓国経済の四半期の成長率は０％台」と指摘した。キム・ヨンベ韓国経営者総協会（経済人総連）副会長（会長職務代行）は「企業の変身を妨げる規制があまりにも多い」と指摘した。３人はともに「果敢な変化が必要だ」と口をそろえた。

韓国経済が岐路に立っている。変わるのか、それとも止まるのかだ。サムスン－ハンファのビッグディールは選択を催促する引き金となった。クォン・テシン韓国経済研究院長は「今回のビッグディールは企業が自ら構造改革をし、競争力を高め、そうしてこそ生き残るという点を見せた」と評価した。

町内の飲食店が米国のフードチェーンと競争する時代、変化は生存のために不可避だ。変化する企業だけが生き残ってきたからだ。コンピューター企業と知られたＩＢＭは１２年前、「もうコンピューター企業ではない」と宣言した。１９９０年代に破産危機に追い込まれたＩＢＭは、ＰｗＣコンサルティング買収などを通じてコンサルティング・ソフトウェア企業に変身した。収益の８０％以上がこの分野から生じる。ゼネラルエレクトリック（ＧＥ）は収益を出す事業も未来の市場を眺めながら果敢に売却する形で、１３０年間にわたり超一流製造企業の地位を維持している。世界で初めてデジタルカメラを作りながらもフィルム市場をあきらめられなかったコダックと対照される。

韓国でも同じだ。変化する企業だけが危機を乗り越えている。選択と集中の代名詞となったアモーレパシフィックが代表的な企業だ。この会社は一時、太平洋証券をはじめ、電子・金属など大きく手を広げた。しかし９０年代にすべて売却し、化粧品だけに集中した。アモーレパシフィックは現在１３カ国で約４１００カ所の売り場を保有している。会社の株価は２００万ウォンを超え、「皇帝株」待遇を受けている。ＳＫグループの中軸的な系列会社となったハイニックスも同じだ。現代・ＬＧと主が変わるビッグディールと職員の半分をリストラする過酷な過程が今日のハイニックスを作った。ハイニックスの上半期の営業利益は２兆ウォン（約２１４０億円）を超える。


昨日の成功は忘れよう…「セルフ革新」企業だけが生き残る＝韓醍（２）