【コラム】スティーブ・ジョブズはなぜ哲学を専攻したのだろうか=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.10.24 14:26
1990年代初めに入学した大学では、世界史・小説の授業が多かった。「危機」という単語とともに議論されている「文・史・哲」(文学・史学・哲学)の専攻だったからだ。最近になって企業が人文系の大卒者を選ばない傾向が明らかになっているが、当時も進路は悩み事だった。商経系が脚光を浴びる時代に文学を学ぶことに何の効用があるかという疑問だった。ある学科の教授は「大学教育がスタートした中世の修道院でまず教えたのが文学と哲学だった」として、機能的な意味の効用だけではなく人生の基盤になる効用も確かめてみろと助言した。貸借対照表の代わりに死や煩悩のような単語を授業時間に思い浮かべた同期生は通貨危機を経ながらもほとんど就職に成功した。
文・史・哲のロマンはこの頃の大学生にとっては贅沢になった。入試準備中ずっと親たちが「それは大学に行ってからやれ」と言っていたが1、2学年も就職の重圧に抑えつけられる。人文系の就職率は理工系の半分程度なので1つのキャンパスに通っていても卒業後の悲喜が交錯すると誰もが知っている。語学研修や交換学生はもちろん海外ボランティア活動に商経系の複数専攻までしてみるが、人文系の求職難は良くなる兆しがない。