サムスン電子とＬＧ電子が国際電気通信連合（ＩＴＵ）全権会議が開催されている釜山（プサン）で「５世代移動通信（５Ｇ）」を全面に出しながらプライドをかけた戦いを繰り広げる。

現在商用化されている４Ｇ（ＬＴＥ）よりも数十～数百倍も速い５Ｇ技術が、今後の「超高速スマートライフ」時代を開くカギになるとみているためだ。サムスンは体験を、ＬＧはビジョンをそれぞれ強調して市場の主導権を握るための第一歩を踏み出した。

釜山ＢＥＸＣＯの第２展示場に用意された９００平方メートル（２７３坪）規模の展示館。サムスン電子は入口に入ると５Ｇ技術を体験できるようにした。５Ｇ技術を開放された空間で一般人を対象に実演したのは世界で初めてだ。観覧客は５Ｇのリアルタイム・ストリーミングで超高画質（ＵＨＤ）映像がどれくらい速く大型テレビに転送されるのか、時速１００キロ以上で走る車の中でデータがどれくらい速く途切れずに転送されるのかなどを直接見て感じることができる。サムスン側が公開した伝送速度は１．２Ｇｂｐｓで、１秒に約１５０メガバイトのデータをダウンロードすることができる速度だ。高速道路を走行する車の中で１．２ＧＢの映画１本を８秒でダウンロードできる速度だ。

ＬＧ電子も９０２平方メートルの展示場を作り、「想像以上の使いやすさ」を５Ｇのビジョンとして掲げた。特に領域別に５Ｇ技術がどのように活用できるのか紹介して目を引いた。４大領域は▼必要資源へのリモート接続▼五感基盤のコンテンツ▼リアルタイム状況認知▼仮想・増強現実－－などだ。また、このようなビジョンを実現するためには特定の技術が前提になるとし、その前提として▼超広帯域バンド▼ユーザー基盤のスマートネットワーキング－－などを挙げた。