【コラム】ソウルで100年経ったカフェを見たい
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.10.16 11:39
今の職場に移る前、3年間ビールの営業をしながらソウル数百カ所のコーヒーショップや酒場、レストラン、ラウンジ、クラブを訪れた。韓国人と直接やりあう酒類営業社員生活にはすぐに適応した。だが、全く慣れなかったことが1つだけある。訪れた店がある瞬間に消えることだった。肯定的にとらえるなら、イタリアとは全く異なる韓国社会の躍動性とも言える。
イタリアではいつも同じ店に行くため、オーナーやスタッフと家族のように親しくなれる。祖父の頃からよく食事をしに行ったレストランでは、最初からメニューも見ない。私たちの家族の好みをよく知っているウェイターが判断して食べたい料理を持ってきてくれるからだ。これがイタリア人の日常だ。日曜日のミサの後に母親が菓子を買っていたケーキ屋、中学生の時に放課後のサンドイッチを食べた店、高校時代の寒い冬に暖かいホットチョコレートを飲んだコーヒーショップ、大学の友人と一杯飲みながらサッカー競技観戦に興じた酒場はまだ私の故郷ベニスにそのまま残っている。そこはいつも同じ姿・同じ場所で私の昔の思い出と幸せな瞬間を思い出させてくれる。