【社説】南北、離散家族の苦痛に目を閉じてはいけない
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.09.11 15:37
秋夕(チュソク、中秋)は各地に離散した家族や親戚らが出会いの喜びを分かち合う民族最大の名節だが、離散家族にとっては今年もそうではなかった。北側の地に接した臨津閣(イムジンガク)などの地で、心を込めた祭事を行ったが満足するだろうか。名節はむしろ彼らに恨だけを深くさせる痛みの時間であろう。しかも離散家族の死亡者は急増している。1988年以来の再会申請者12万人余りのうちで半分の6万人余りが亡くなった。先月末の基準だ。今までに約3000家族だけが再会した点を考慮すれば、死亡者の大多数が北側の家族に会うこともできずに目を閉じたことになる。死亡者はこの8カ月間で2500人余りに達した。全体の生存者の半分が80歳以上でもある。南北間には懸案が幾重にも積み重なっているが、離散家族問題の解決ほど切迫したものはない。
南側が離散家族の対面をはじめとする双方の関心事を議論するための高位級接触を提案してから今日で丸ひと月だ。北側は離散家族の対面だけは政治的問題と連係せずに応じなければならない。ちょうど北朝鮮の朴奉珠(パク・ポンジュ)首相が、一昨日の政権樹立66周年記念中央報告大会で南北関係を改善しなければならないと強調した。南北関係の改善のためには最も切実な問題から解決していくことが順序だ。信頼が積み重なれば南北間の大規模な交流・協力事業も弾みがつくのではないだろうか。北朝鮮が日本人拉致問題の解決には誠意を見せながら、南北間の離散家族問題を冷遇するのはつじつまが合わない。北朝鮮は米国人抑留者問題をめぐって米国政府とも交渉を進めているという話が出ている。