サッカー韓国代表の申台龍（シン・テヨン）コーチは破顔大笑し、手を振りながら否定した。申コーチは次期監督の選任が遅れたことで、臨時監督として親善試合２試合を指揮した。５日にベネズエラを３－１で降し、８日には世界ランキング６位のウルグアイに０－１で惜敗した。

サッカーファンは変化が激しい戦術を見せた申コーチを「メコラーリ（メッコール＋スコラーリ）」と呼んだ。現役時代の所属チーム城南のスポンサー飲料「メッコール」と２００２年ワールドカップ（Ｗ杯）でブラジルを優勝に導いたルイス・スコラーリ監督（６６、ブラジル）の合成語だ。

申コーチは１０日、「２００８年に英国でスコラーリ監督が率いるチェルシーの試合を見た。攻撃サッカーとオールラウンドプレーが印象的だった」とし「その年に城南の監督に就任し、チェルシーの戦術を応用した。名将と比較されること自体が光栄だ」と言って笑った。

申コーチはベネズエラ戦で攻撃的な４－１－２－３フォーメーションを見せた。先月３１日に行われたチェルシー－エバートン戦（チェルシーが６－３で勝利）からヒントを得たと語った。

申コーチは「チェルシーの右フルバックのイバノビッチがＤＦの後ろのスペースに何度も入り込んだ。同じポジションのチャ・ドゥリ（３４、ソウル）に同僚のカバープレーを信じてウインガーのように出ていくよう助言したが、うまくやってくれた」と話した。

逆にウルグアイ戦では守備に重点を置く３－１－３－３フォーメーションを選択した。守備型ＭＦの奇誠庸（キ・ソンヨン）を３バックの中央に起用する破格の戦術だった。これに先立ち日本がウルグアイに０－２で敗れたのを見て、新しい戦術を持ち出した。申コーチは「日本はウルグアイの強いプレスと速い攻守転換のため力を発揮できなかった。中心ラインをしっかり守るために豪州での高校時代から見てきた奇誠庸を“トランスフォーマー（変身ロボット）”のように起用した」と説明した。

ウルグアイ戦で李東国が振るわないと、「水を得た奇誠庸、水に溺れた李東国（イ・ドングク）」という言葉も出てきた。ベネズエラ戦で２得点したがウルグアイ戦では沈黙したＦＷ李東国（３５、全北）を叱責する内容だった。申コーチは「戦術上、李東国がボールをあまり受けられなかった」とかばった。

申コーチはウルグアイ戦を控えてシュティーリケ新代表監督と別に会った。「『私は韓国から何かを得るために来たのではなく、与えるために来た。吸収することばあれば吸収してほしい』という監督の言葉が印象的だった。確固たる信念が感じられた」と最初の出会いを紹介した申コーチは「シュティーリケ監督の手足となる。５０ー１００人の選手を紹介する役割を担当する」と話した。