【社説】無線機握ったまま発見の事務長…再起の希望はある=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.05.18 12:22
セウォル号の事務長ヤン・デホンさんが冷たい遺体で発見された。ヤンさんはセウォル号が沈没する直前に妻と最後の電話をした。「船が大きく傾いている。水協の通帳に金があるので上の子の授業料に使え。いまは子どもたちを助けに行かなければならない」という言葉を残し船の中に入った。彼は食堂にいたアルバイト生と料理担当スタッフを脱出させた後、1人でも多く避難させようと最後まであらゆる手を尽くしたというのが生存者の証言だ。結局セウォル号沈没から1カ月後、片手に無線機を握った姿で引き揚げられた。
検察警察合同捜査本部は15日、公訴状を通じセウォル号沈没の瞬間と船員の脱出状況を公開した。これを通じ船長と船員が乗客を置いて先に脱出した理由が輪郭を現わしつつある。捜査本部は一部船員から「生き残らなくてはとの考えばかりした」という陳述を確保した。乗客が待機していれば自分たちの救助が最後になるという点を知り先に脱出したというのが捜査当局の判断だ。だが、事務長のヤンさんは正反対に行動した。自分の命よりも乗客と同僚を先に避難させ、上下がひっくり返り、水が流れ込む危険な船内を検索して回った。セウォル号の幹部級船員では唯一の死亡者だ。