李柱烈（イ・ジュヨル）韓国銀行（韓銀）総裁候補は１９日、国会企画財政委員会の人事聴聞会で、「家計負債が成長の障害になっているが、余力がある層が多くの借金をしている。金融システム次元で大きな問題になるほどではない」と述べた。

李氏は「家計負債の拡大が所得増加率を越えないよう政府レベルで総量を管理する必要がある。所得の増加は成長が後押ししなければならないので、韓銀が安定した成長をするよう通貨政策を進めることが重要だ」と話した。

政策のタイミングを逃したことも認めた。副総裁在任中の２０１０年、金利を適時に引き上げることができず家計負債を膨らませたのではないかという質問に対し、「結果的にそうだ」と答えた。韓銀が昨年、市場の期待より遅く利下げしたという指摘に対しては、「期待感が生じたのは韓銀がそのような信号を与えたため。市場との疎通に問題があるのではないかと考える」と明らかにした。韓銀の人事基準については、「職員の経歴と評判を反映し、構成員が人事内容にうなずけるようにする」と述べた。また李氏は、物価の安定と成長のバランスがとれた組み合わせを模索し、物価安定目標制（現在２．５－３．５％）は現行レベルに維持すると明らかにした。

聴聞会を見ていた韓国投資証券のイ・ジョンボム研究員は「市場が懸念するほどのタカ派（中央銀行の独立性と物価安定を重視）とは考えにくい」と述べた。シン・グァンホ高麗大経済学科教授は「金融の安定に関連する中央銀行の目標を正確に示し、金融通貨委員会の詳細議事録と実名を公開して透明性を高め、市場との疎通も強化する必要がある」と提案した。

韓銀総裁候補に対する聴聞会が開かれたのは今回が初めて。この日の聴聞会では個人の問題より政策を中心に質問が続いた。国会企画財政委員会は聴聞会の直後、「適格」意見の報告書を採択した。李氏は翌月１日から任期に入る。