【コラム】人生、自分だけの辞書を作ること…日本映画『舟を編む』
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.02.28 11:35
他人と目を合わせることが最も苦手で、話かけようとでもすれば体がぶるぶる震えてくる男。映画『舟を編む』の主人公、馬締光也(松田龍平)は内気で小心者だ。出版社営業部で孤軍奮闘していた馬蹄が突然、辞書編集部に発令を受ける。時は1995年、電子辞典の普及が広がり、若者の間では辞書にない新造語が大手を振るう時代。会社は各世代の言語を包括する新しい紙辞典『大渡海』を準備するところだ。辞書編集部に初めて出勤した日、馬蹄は下宿屋のおばあさんに悩みを打ち明ける。「私は自分の気持ちをうまく表現できません。他の人の考えも分からないし。そのような私が辞書を作ることができるでしょうか。」おばあさんが答える。「他人の気持ちは本来誰も分からないもの。それを伝えるために言葉があるんだ!」
映画の原作は三浦しをんの小説『舟を編む』だ。「言葉」の広い海で誰かに届くことを願い私の心を最もよく表わす単語ひとつを探す人々。このような人たちにとって辞書は「真心をのせる舟」という粋な例えだ。下宿屋のおばあさんの孫娘に恋してしまった主人公に「恋」という単語の意味を作成しろとの指示が下され、彼は心を覗き見て単語に触れ、徐々に疎通を学んでいく。「恋:ある人を好きになってしまい、寝ても覚めてもその人が頭から離れず、他のことが手に付かなくなり、身悶えしたくなるような心の状態。成就すれば、天にものぼる気持ちになる。」