【コラム】認知症を優しく見つめる日本の漫画『ペコロスの母に会いに行く』
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.10.18 17:14
還暦を過ぎたはげ頭の息子が認知症を患っている九十路の老母と向かい合った。母が目をごしごし擦って嘆く。「どうしよう。もう目まで遠くなってしまったね。お前の頭の毛が全く見えないよ!」「髪の毛がないから見えないんでしょうが!」と息子に一喝されると、シュンとした母は「ああ、もともとハゲだったね。ふんふん」
急に寒くなった今の季節に、心が温かくなるような1本の漫画をお勧めしたい。最近出刊された『ペコロスの母に会いに行く』という作品だ。日本長崎の無名漫画家の岡野雄一(63)を一躍ベストセラー作家にしたこの漫画は、表紙絵からして丸くてかわいい。「ペコロス」はピンポン玉ほどの小さな玉ねぎで、はげ頭の作家のあだ名だ。息子のはげた頭を軽くなでたりいきなり頭をぴしゃりと叩いたりする事が、認知症にかかった母の暇つぶしの娯楽であり唯一の運動だ。