「フレキシブルディスプレースマートフォンを商用化できる素材と技術はすでに用意された」。

韓国メルクのミヒャエル・グルント代表の診断だ。グルント代表は今月初めに記者と会い、「サムスン電子が近く曲面ディスプレースマートフォンを出すというが、程度の差はあるが曲面とフレキシブルは連続線上の技術だ。曲面ディスプレースマートフォンを作るならばフレキシブルディスプレースマートフォンもまもなく商用化が可能だ」と話した。

サムスン電子とＬＧ電子は最近年内にフレキシブルディスプレーを装着したスマートフォンを発売することにした。しかしこれらが出すスマートフォンは空想科学映画で見たように自由自在に曲がりくるくる巻いて持ち運びできるスマートフォンではない。両社が今年出した曲面有機ＥＬテレビのように曲がった画面を装着したスマートフォンを連想すれば良い。グルント代表は、「映画『ハリーポッター』に出てきた便利な新聞や、敷いて座っても大丈夫なスマートフォンのような真の意味のフレキシブルディスプレーが適用された製品に使われる機能性原料物質を分子水準で開発している」と説明した。グルント代表は「液晶ディスプレー素材市場の先頭走者として有機ＥＬ部門でも１位になるため努力したい。表面に印刷可能な有機ＥＬ原料はすでに開発を終えており、３年以内に量産が可能だろう」と話した。

メルクは１６８８年に設立された世界的製薬会社であると同時にディスプレー部門の基本材料メーカーだ。１９０４年から１００年以上液晶を研究し液晶関連基本技術を保有する企業で、液晶素材市場のシェアは６０％に達する。２０１１年１０月には本社があるドイツ以外の国では初めて韓国に有機ＥＬアプリケーション研究所を設立している。

一方、メルクをはじめとサムスンディスプレー、ＬＧディスプレーなどが参加する国際情報ディスプレー展示会が９日まで３日間にわたり一山（イルサン）の韓国国際展示場（ＫＩＮＴＥＸ）で開かれる。この展示会でサムスンディスプレーは世界で初めて２４０ヘルツ高速駆動方式を採用し無欠点画質を実現した９８インチと８５インチの超高解像度（ＵＨＤ）液晶パネル、現存最高の色再現力を備えた５５インチＵＨＤ有機ＥＬなどを披露する。ＬＧディスプレーは世界で初めて発売した５５インチ曲面有機ＥＬテレビ、一般ディスプレーと同じ色再現率を維持しながらも透明度を１５％まで引き上げた４７インチ透明液晶パネル、スマートフォンとテレビ用に開発された４．５インチとＵＨＤ５５インチグラスレス３Ｄ製品などを展示する予定だ。