【コラム】以柔克剛の対北朝鮮政策(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.08.07 14:00
五木寛之(80)は私が好きな日本人作家だ。特に彼のエッセイが好きだ。山戦水戦すべて経験した東洋圏知識人の人生に対する観照が心に響く。扇風機の風にあたりながら横になって彼の随筆集を読んでいたが、突然、姿勢を正して座った。目を引く部分があったからだ。
彼にはがんで早くに亡くなった友人がいる。秀才だったその友人は意志と決断力が強い紳士であり、健康にも気を遣って酒・たばこは遠ざけてきた。その友人はいくら遅く帰宅しても必ず日記を書く習慣があった。「今日のことは絶対に許せない」と思うと、眠れなかったためだという。それでそのことを日記に書き留め、「これだけは生涯忘れない。どんなことがあってもあの人だけは絶対に許さない」と決心をすれば、いくらか心が楽になった。このように書いた日記がその人の身長ほど積もった時、彼は突然がんという診断を受け、半年足らずでこの世に去った。