サッカーは団体スポーツだ。 競技場に立つ１１人にベンチに座っている選手まで、心を一つにして団結しなければならない。 その頂点には監督がいる。

しかし今のサッカー韓国代表チームはその中心が揺れている. チェ・ガンヒ監督が“期限付き”だからだ。 チェ監督はブラジルワールドカップ（Ｗ杯）アジア地域最終予選を終え、今年６月に退任すると明らかにした。 問題は選手の競技力だ。 選手は期限付きの指導者を信頼してついていくことができない。 チェ・ガンヒ監督が最終予選を終えて退くのなら、いま退くのがよい。 そうでなければ最後まで責任を負うべきだ。

戦争を考えればよい。 将軍は自分の退路をすべて確保し、戦争で敗れても逃げるところがある。 さらに官職まで約束されている。 しかし兵士はこの将軍のもとで命を捧げても、戦利品を握れるという確信がない。 どの兵士が情熱を注いで犠牲になるだろうか。 サッカー韓国代表チームの状況がまさにそうだ。 チェ・ガンヒ監督は最終予選を終えた後、全北現代に戻る。 結果は関係ない。 全羅北道はファビオ・フィジカルコーチに監督職を任せる異例の人事で、チェ監督の席を空けている。 国家代表選手がチェ監督を信頼するのは難しい。

国際サッカー連盟（ＦＩＦＡ）ランキング１０位のクロアチアに勝つには、選手の犠牲が必要だった。 しかし今回の対戦で韓国選手の間で信頼は見えなかった。 精神的に緩んでいて、まとまりがなかった。 誰も自分を犠牲にするプレーをしなかった。 相手のセットピースで守備をする時、自分がマークする相手を逃した。 お互い譲り合ったのだ。 攻撃でもより多く走ってスペースに食い込む動きも不足していた。 守備と攻撃、戦術ですべて敗れた。

こうした問題はすべて精神力によるものだ。 自分の未来が不透明な中で犠牲になれる選手は多くない。 強豪クロアチアに０－４で敗れたのはやむを得ない。 ヨーロッパ遠征であるうえ、調整する時間も不足していた。 しかし代表チームの戦力が低下しているのは深刻な問題だ。 ウズベキスタンと２－２で引き分け（２０１２年９月１１日）、イランに０－１で敗れた（２０１２年１０月１６日）。 その後、豪州に１－２（２０１２年１１月１４日）、クロアチアにも０－４で敗れ、Ａ代表チームは１１年ぶりに３連敗を喫した。

チェ・ガンヒ監督は最初から問題があった。 趙重衍（チョ・ジュンヨン）前サッカー協会会長が２０１１年末、趙広来（チョ・グァンレ）前監督を突然更迭した。 そして好チームを率いていたチェ・ガンヒ監督を無理に連れてきた。 チェ・ガンヒ監督としては負担が大きかったはずだ。 このためＷ杯本大会まで代表チームを率いることを断った可能性がある。 新しく選ばれた鄭夢奎（チョン・モンギュ）大韓サッカー協会会長の決断が必要だ。 技術委員会を通じてこうした心理的な問題を解決しなければならない。 アジア最終予選を通過してＷ杯本大会に行くために確実な決定が必要な時期だ。

金浩（キム・ホ）日刊スポーツ解説委員