韓国開発研究院（ＫＤＩ）が２０日、今年の韓国経済の成長見通しを３．６％に引き下げた。昨年１１月に続き２度目の下方修正だ。

ＫＤＩは昨年５月に今年成長率を４．３％と予想し、昨年１１月にこれを３．８％に引き下げた。今回の見通しは昨年の成長率と同じだ。当初の期待とは違い今年の経済は昨年よりましになることはないという意味だ。

成長見通しの下降は海外の環境が思ったより良くないためだ。したがって韓国経済の核心動力である輸出は昨年より７％増えるのにとどまると展望した。昨年の増加率は１９．７％だった。経常収支黒字も昨年の２６５億ドルから今年は１８３億ドル、来年は１２２億ドルに減るとＫＤＩは予想した。

問題はさらに悪くなる可能性を排除できないという点だ。ＫＤＩは欧州の状況が最悪に進む場合、３％以下の成長も覚悟しなければなければならないと警告した。

ＫＤＩのイ・ハンギュ研究委員は、「ユーロ圏が崩壊するならば現在の成長見通しは何の意味もない」と話した。イラン制裁など中東不安とこれにともなう原油価格上昇の可能性も負担だ。

そんな中で支えとなるのは相対的に良好な国内状況だ。民間消費が２．７％、投資が８．１％とともに昨年より改善している点、物価上昇の勢いが鈍化している点が慰めだ。ＫＤＩが上半期より下半期の経済が良い「上低下高」の見通しを維持したのもこのためだ。来年の成長率は４．１％と展望した。

しかし安心できる水準ではない。個人負債増加の傾向は停滞しているが延滞率は３月末で０．８４％と高まる傾向だ。

建設投資増加率見通しは３．１％で設備投資の半分にも満たない。


ＫＤＩ、韓国経済成長率を３．６％にまた下方修正（２）