【コラム】太平洋の乳牛と韓中FTA
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2012.05.07 10:29
いま太平洋のどこかで数千頭の乳牛を乗せた船が航海している。中国へ行く牛だ。中国は今年、10万頭の乳牛を輸入する。主にウルグアイ・オーストラリア・ニュージーランドなどから入る。今年が初めてではない。昨年も10万頭を25隻に載せて中国に運んだ。食生活の改善で牛乳の需要が増えているが、その牛乳を作る原乳が絶対的に不足しているのが中国酪農業の現実だ。08年に児童6人を死亡させたメラミン混入粉ミルク事件の後、「不良乳牛」を廃棄し、「乳牛難」はさらに深刻になっている。業界は酪農を現代化するというが、牛乳が工場から製品として出るように、そう簡単な過程ではない。
韓国にとってはチャンスとなる。中国の「酪農市場」が開かれているということだ。飼料専門会社のコフィードがその事例に挙げられる。この会社は黒龍江省チチハルで約1000頭の乳牛牧場を運営している。お金を出して牛を買ったのではない。チチハル市政府が乳牛を集め、畜舎と蓄乳施設も提供した。酪農の現代化を模索する市当局が飼料技術を持つコフィードに5000頭規模の牧場委託事業を提案し、第1次として農家から1000頭を集めてコフィードに委託したのだ。