運転中にデジタルマルチメディア放送（ＤＭＢ）に気を取られた６０代のトラック運転手が女子サイクリング選手３人をはねて死亡させた。

１日午前９時５０分ごろ、慶尚北道義城郡丹密面洛井里（キョンサンブクド・ウソングン・タンミルミョン・ナクチョンリ）の２５号国道で、２５トン貨物トラックが前を走っていたスターレックス乗合車と衝突し、乗合車が押し出され前方を走っていた尚州（サンジュシ）市庁所属の女子実業団サイクリング選手団を次々とはねた。乗合車は選手団の訓練を指揮する車両だった。

この事故で尚州市庁所属のパク・ウンミ（２５）、イ・ミンジョン（２４）、チョン・スジョン（１９）選手ら３人が死亡し、キム・ソニョン（２０）選手ら３人と選手団エスコート乗合車に乗っていたチョン・ジェヒョ監督（５１）ら４人が負傷し亀尾（クミ）の順天鄕（スンチョンヒャン）病院などに搬送され治療を受けている。

この日の事故は尚州から亀尾方向に向かっていた貨物トラックがサイクリング選手団エスコート車両の乗合車に時速７０キロメートルで追突した後、自転車に乗って徐行していた選手らを巻き込んで１００メートルにわたり引きずり被害が大きくなった。

警察は事故現場で貨物トラック内にＤＭＢがついているのを発見した。運転手は警察の取り調べで、事故当時ＤＭＢでドラマを視聴しており、運転のたびにＤＭＢを見たりしていたと述べた。警察は運転手がＤＭＢを見るため前方不注意で乗合車に追突したとみている。最初の追突現場から１００メートル地点まで貨物トラックがブレーキを踏んだ跡も見つからなかった。警察は運転手がＤＭＢ視聴に気を取られて追突した後もしばらく事故の事実に気づかなかったものと推定している。飲酒測定で運転手は酒は飲んでいないと確認された。

この日事故が発生した区間は往復４車線の直線道路で、傾斜２～３度の登り坂のため運転手が追突後にブレーキさえ踏んでいれば選手団の人命被害は発生しなかったと警察はみている。

事故に遭った尚州市庁女子サイクリング選手団は１１日から開かれる慶尚北道民体育大会を控え訓練のためこの日尚州の宿舎を出発し亀尾へ向かっていた。尚州市庁女子サイクリング選手団は昨年全国体育大会など全国単位の４大会で優勝した。尚州市庁所属で国家代表のイ・エジョン選手（２２）はこの日別の訓練で参加しておらず事故を免がれた。