脱北同胞の強制送還に反対してきた京畿道（キョンギド）の金文洙（キム・ムンス）知事が街頭で改めて送還中断を促した。

金知事は９日午後６時３０分から水原市八達区（スウォンシ・パルダルク）の孝園（ヒョウォン）公園で開かれた脱北同胞強制送還反対キャンドル文化祭に参加し、「北朝鮮人権法が米国で通過したがまだ韓国は国会で通過できていない。８年間通過できずにいるが必ず本会議を通過できるようにスローガンを叫ぼう」と主張した。

続けて、「北朝鮮の多くの人々が鉄条網のために大韓民国に来られず中国に行くが、国境は小さな堀さえ越えれば中国だ。大韓民国の国民が自国を訪ねてくるのに何の罪があるのか。罪はない。祖国を訪ねてくるのに何の罪があるのか」として中国の前向きな姿勢を促した。

一方、金知事は、「私は収監生活を２年６カ月したが、懲罰房にいる時に外から金文洙を考えるとの発表が聞こえたり、監獄にいる時に外からの便りで『金文洙君を記憶する』という一言だけ聞いても気力が出た。北の地に大韓民国を思い、その人々を記憶するわが５０００万同胞がいるならば彼らは孤独でない」として国民の関心と参加を訴えた。

金知事は２月２９日に中国政府の脱北者送還中断のためハンスト中だった自由先進党の朴宣映（パク・ソンヨン）議員に会った席で、「中国政府は世界経済を主導している中国の経済力と国家的地位に見合った北朝鮮人権問題、特に脱北者問題に対する人道主義的な次元で前向きの姿勢を見せなければならない」として中国政府に脱北者強制送還中止を促している。

また、先月２３日にベルリンにある旧東ドイツ独裁清算財団で開かれた韓独フォーラムでも「最近は食べるものがなくて北朝鮮を脱出した住民たちに対し、中国政府が人道主義次元から北への送還を中断すること」を促し、「国際社会と大韓民国もより積極的な行動に出なければならない」と主張した。