中国経済政策の首長である温家宝首相（７０）が今年の成長目標を７．５％に下げた。温首相は５日、全国人民代表大会の開幕前に公開した政府報告書で、目標値を抑えることを公式化した。

中国経済専門家のマーク・ウィリアムス氏はこの日、米投資専門誌スマートマネーのインタビューで、「温家宝首相が任期最後の年の今年に成し遂げたい目標が７．５％という数字に含まれている」と述べた。どんな目標か。この日の政府報告書にその答えがある。

温家宝首相は「すべての経済部門の人民が経済発展のパターンを変えて、発展をさらに続けることに焦点を合わせるため」と述べた。成長のペースよりも質を強調するという意志が今年の成長目標値に込められているということだ。

専門家は中国政府の成長エンジンを変える作業がさらに加速するとみている。日本野村証券の中国担当首席エコノミスト張智威氏はこの日、ブルームバーグ通信のインタビューで、「中国が輸出・投資の代わりに内需を本格的に高めようと努力してきたが、期待には達していなかった」とし「今年は内需を育てる作業がさらに加速するだろう」と述べた。

米シティグループ首席エコノミストのディンシュアン氏はロイター通信のインタビューで、「温家宝首相の目標値は特別な危機が発生しないかぎり、景気浮揚パッケージは用意しないという意志と考えられる」と語った。温首相はこの日、成長以外の重要な目標値も公式化した。温首相は「今年の物価上昇率を昨年と同じ４％線に抑える」と明らかにした。

今年の成長目標は温首相の経済運用史で重大な分岐点と受け止められている。温首相は０３年３月に首相に就任した。当時、英エコノミスト誌は「前任の朱鎔基首相の成長重視パラダイムを受け継いだ」と報じた。温首相は就任３年目の０５年、成長目標値を７％から８％に高めた。温首相は米国発の金融危機が世界経済を襲った０８年と０９年にもその目標値を低めなかった。いわゆる「保八（成長率８％維持）」だ。


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