安哲秀（アン・チョルス）ソウル大融合科学技術大学院長が６日、ソウル市長選出馬放棄を宣言した。６日間ほど超大型台風のように襲った市長選出馬説はきれいに消えた。安哲秀教授らしいすっきりとした放棄宣言だった。

もちろん安教授の政治的な動きが終わったとは考えにくい。安教授は記者会見で朴元淳（パク・ウォンスン）弁護士（希望制作所常任理事）を「立派な方」と称えることで、事実上、朴弁護士支持を宣言した。安教授は来年の大統領選出馬の可能性に関する質問には答えなかった。余地を残したものと見ることもできる。正確な評価は今後の安教授の動きにかかっている。

現時点で評価したいのは斬新な放棄だ。いくつかの世論調査で確認されたように、安教授はソウル市長に出馬する場合、最有力候補だった。普通、政治家の場合、一けた支持率でも出馬をあきらめない。安教授は半分の支持率を確保しながらも放棄した。普通の政治家の場合、自分の出馬のためにライバル候補を懐柔し、時には買収したりもする。しかし安教授は自分よりもはるかに支持率が低い朴弁護士が‘立派’な方という理由だけで、わずか２０分で放棄を宣言した。

こういうことは簡単にできることではない。安教授は言葉を慎む性格だが、ソウル市長職には相当な意欲を見せた。「（ソウル市長職は）本当に意味が感じられる」とし「うまくできるという自信が生じた」とまで話した。実際、ソウル市長という地位は大統領の次に重要な選出職だ。世の中を変えてみたいという欲望を抱いた男児として、ほぼ手にした地位を他の人に譲る決心をしたということ自体が勇気だ。


【社説】一発ショーに終わった安哲秀出馬説（２）