【社説】食糧支援要求と金正哲の豪華海外遊覧
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2011.02.17 11:34
北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)国防委員長の二男・金正哲(キム・ジョンチョル)が最近、シンガポールを訪問し、10日間ほど豪華遊覧を楽しんだという。数十人の随行員と一緒に一流ホテルに宿泊、高価なダイヤモンドを購入し、ロック歌手エリック・クラプトンの公演をVIP席で楽しんだ。また中国やマカオなどに滞在しながら豪華生活をする長男・金正男(キム・ジョンナム)については、すでに広く知られている。長い間の経済難と食糧難で食事もできずに苦しむ北朝鮮住民の惨状を見れば、金正日‘ロイヤルファミリー’の豪華生活は理解しがたい。さらに北朝鮮は貧富の格差を許さないという社会主義国家ではないのか。金正日ロイヤルファミリーは、北朝鮮の社会主義体制が少数特権層の利益のために大多数の住民の膏血を絞る歪曲された体制であることを端的に見せている。
特に金正哲の外遊はいわゆる「民族最大の祝日」とされる金正日国防委員長の誕生日(2月16日)を控えた14日まで続いた。これと関連し、三男・金正恩が後継者に内定し、兄の金正哲が政治に一切介入していないことを意図的に見せるための動きという解釈がある。あたかも歴史ドラマに出てくる中世王朝国家の王位継承過程を見ているようだ。同時にロイヤルファミリーの金正哲が国家最大行事を目の前にして外遊する状況は、北朝鮮権力体制のネジが緩んでいるという印象までも与える。後継者になった弟を意識しなければならない兄の金正哲と金正男の海外豪華生活は、北朝鮮体制と統治システムの矛盾を赤裸々に表している。