キム・ヨナと浅田真央のフリー対決はバンクーバー冬季オリンピック（五輪）の最大のハイライトだ。両選手は２０歳の同年齢のライバルだが、スケートの刃のスタイルはそれぞれ異なる。

キム・ヨナはジャンプ・スピン・ステップを幅広く強調する‘調和’の戦略を、浅田はトリプルアクセルを前面に出した‘ジャンプ’を強調する戦略を使う。キム・ヨナは卓越した演技力も認められている。したがってプログラム構成自体も完全に異なる。

◇スケートの刃からも戦略が分かる

２人の戦略がひと目で分かるのがスケートの刃だ。フィギュア選手は自分の長短所を考慮し、スケートの刃を選択する。

浅田は刃の先が大きい「パターン９９」を使用する。刃の先が大きく飛び出しているため、氷を蹴ってジャンプする時に大きく役立つ。しかしスピンやステップの際には氷に引っかかって邪魔になる。ルッツやフリップなどトゥーを利用したジャンプに弱い浅田は、ジャンプに力点を置くために他の演技の不便を甘受したのだ。

キム・ヨナが選んだ刃は「ゴールドシール」。刃の先のギザギザ部分が小さい。トゥー系列のジャンプが得意なキム・ヨナはあえて先が大きいスケートの刃を使う必要がない。ゴールドシールは先が氷につかず、スピンとステップなど他の演技がしやすい。キム・ヨナが滑らかな動作で美しい表情演技に没入できるのもこうした影響だ。

今回のバンクーバー五輪男子シングルで、４回転ジャンプを決めたプルシェンコ（ロシア）を抑えて金メダルを獲得したライサチェク（米国）もこの刃を使用している。


【冬季五輪】なぜ浅田のスケート첂刃は先が大きい？（２）