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【インタビュー】松下政経塾 古山和宏塾頭

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2009.12.06 11:34
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日本南部の山口県萩市にある遺跡地入口には「明治維新の発祥地」と書かれた大きな石碑がある。江戸幕末、改革家だった吉田松陰が塾を建てて人材を育てた所だ。吉田の弟子たちは264年間支配した江戸幕府を崩し、日本近代化の道を開いた明治維新(1868年)の主役となった。

 
今年8月30日、野党だった民主党が54年間の長期政権を担った自民党を完全に沈没させ政権交代した。日本で「経営の神様」と呼ばれた松下幸之助(1894~1989、松下電器設立者)が30年前「日本改革と人材養成」のために神奈川県に設立した松下政経塾の卒業生たちが主役の一人だった。政経塾卒業生のうち25人は民主党議員となった。前原誠司国土交通相(47)、原口一博総務相(50)と外務省次官2人ら8人が入閣した。日本の歴史を変えた教育の力をいま一度見せつけたのだ。

8年前から政経塾の教育を担っている古山和宏塾頭(51)が、最近、北東アジア歴史財団の招請で訪韓し、政経塾の教育哲学、韓日間交流案などについて講演した。以後、記者と会った彼は「教育目標は日本の未来リーダー育成だが、「東アジア共同体の話もあるように、韓国と中国に対する歴史認識教育も重要だと思う」と明らかにした。また「韓国と日本の若いリーダー交流も必要だ」と述べた。彼はこの政経塾3期生だ。

--8月の総選挙で政経塾出身が大躍進をしたが。

「総選前には民主党議員が14人、自民党12人だった。総選後には民主党25人、自民党6人が当選した。(公明党・共産党など群小政党をはるかに上回る規模だ。そのほかに参議院3人、知事2人、市長9人がいる。そのため「政経塾出身政党が誕生するのではないか」とも言われた)

--政経塾出身たちが民主党に多く移った理由は、特別に民主党に合った政治理念を教えるからか。

「特定理念よりは基本哲学を学ぶ。政経塾の目標は、日本と世界に貢献できる人材育成であり、政治家養成ではない。公益法人であるため、特定の政治理念を教えることはできない。それなのに卒業生が民主党に進む理由は改革のためのようだ」(「自民党に世襲議員があまりにも多くてお金や家系の力がない政経塾出身たちが民主党を好むのではないか」という一般的な解釈に対して彼は「そうかもしれない」と同意した)

--松下塾主がどうして政経塾を作ったのか。

「政経塾が政治家たちをたくさん輩出しているので、政策研究をする大学院や選挙戦略・戦術を教える政治家養成学校だと考える人が多いが、そうではない。松下塾主は84歳の1979年、日本の未来のために正しい国家理念を研究して、実践する人材を育成しようという意味で政経塾を作った。日本では企業家が成功すれば教育に投資する伝統がある」

--財団法人だが、運営資金は。

「政経塾は松下塾主の私財70億円と企業献金50億円で出発した。20億円で土地と建物を買い入れ、運営資金は100億円だ。このうち80億円を海外ファンドで運営し、年間3億~4億円の収益をあげて使う。公益法人だが、政府補助金などは受けていない。今は円高で収益が減ってしまって苦労している」

--どんな人々が入塾するのか。

「このごろは社会で活動してから入塾する人が多い。新聞記者、企業職員、医師、教師など多様だ。入学年齢は22~35歳と制限しており、教育期間は3年だ。年間200人ほどが志願するが、6人程度選んでいる。現在全人員は18人だ。全員寮生活をする」

--教育目標は何か。

「心身の研磨、人間観の探求、基本理念の探求、意志の確立などに重点を置く。茶道、書道、剣道など日本の伝統を学ぶ必須課程もある。日本の伝統がわかってこそ日本のリーダーになれるからだ。特に松下塾主は「人間を学べ」「知識の奴隷になるな」と強調した。人情の機微を理解し、知識を活かす方法を勉強しなければならないということだった。政治は結局人間を知ること」

--政経塾教育方式の特徴は。

「まず常勤講師がいない。「自修自得」(自ら学んで悟る)」が教育方針だ。松下塾主は小学校4年生までが学歴のすべて。その後、大阪で丁稚奉公をし、仲間たちと一緒に働きながら自ら悟って成功した。彼は「自ら問題意識を持って探求し、悟っていかなければならない」と強調した。実は教科書や教師から学ぶには限界がある。私たち塾生は、自ら教育課程を作って講師を招いたり、直接学びに行ったりする。現場を非常に重視する。このため塾生には毎月20万~25万円の研修費などを支援する。1年生は24時間100キロ行軍もする」

--卒業生はどんな仕事をしているのか。

「約240人いるが、半分は政界にいる。残り4分の1は経済界、4分の1は教育またはメディア分野で働いている。海外インターンの中にはアメリカ、中国、オランダ、フランス、台湾、韓国などの外国人もいる」

◆古山和宏=松下政経塾塾頭。政経塾は研修塾、政経研究所、事務局の3分野で構成されている。塾頭は塾生教育の責任を負う。政経塾出身(3期生)。卒業後、政治活動を経って8年前からは政経塾の塾頭として活動している。

文=オ・デヨン記者、写真=パク・ジョングン記者

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