＃１人の女性と２人の男性が主人公のメロー。しかし２人の男性は恋敵ではない。現在上映中の「ハロー・マイラブ」（キム・アロン監督）は、１０年間交際した彼氏が留学中にカミングアウトし、男性の恋人と一緒に帰国するところから始まる。なんだか重い雰囲気の映画のようだと？　とんでもない、映画は軽快なゲイカップルと１人の女性の三角関係を描いている。

今回の釜山（プサン）映画祭期間中に縮約版を公開したキム・チョグァンス監督の「友達の関係？」も、かわいくてさわやかなゲイ青年の恋愛ストーリーだ。ゲイ監督として前作「少年、少年に会う」に続き‘美男ゲイロマンス’物の制作を続けている。「私たちの同性愛映画は非常に重くて真摯だった。同性間の愛も軽いタッチでかわいく描きたい」という。

＃上映中のスペイン映画「シェフズ・スペシャル」は、同性愛者の家族構成問題を扱って関心を集めた。異性愛者として暮らしてきたが、カミングアウトした後、過去に別れた子どもが訪ねてきて、男性の恋人と一緒に新しい家族を構成する話だ。同性結婚が合憲のスペインが背景だが、コミカルかつ自然なタッチで同性愛と代案家族問題を扱う映画に国内観客の反応もよかった。

映画輸入会社イメージファクトリーのパク・サンベク代表は「ヨーロッパ的な現実を背景にしているが、同性愛に対する無条件的な拒否感や嫌悪を越えて、性的少数者とともに生きることについて考えさせられる、と評価する観客が多かった」と述べた。

＃同性愛に対する韓国大衆文化の表現が寛大になって久しい。興行コードまで浮上している。男装女性が登場した「コーヒープリンス１号店」。美男ゲイの肉体的魅力を見せた「アンティーク」、同性愛を越えて両性愛を描いた「霜花店」などが登場した。

男性アイドルグループに熱狂する１０－２０代の女性が生産して消費する「ファンフィク」（ファンが書く小説）は、アイドルグループメンバー間の同性愛をロマンティックかつエロティックに描写した。「完ぺきな男にはボーイフレンドがいる」という移動通信会社の広告コピーまでも登場した。

最近注目されているのは、同じ同性愛の中でもゲイ文化よりも下位文化としての扱いを受けている女性同性愛文化の台頭だ。ファンフィク市場では少女時代・ワンダーガールズ・ガラなど女性アイドルグループのメンバー同士が愛し合う女性同性愛ファンフィクが人気を呼んでいる（「やおい」と呼ばれる男性同性愛物に対して「百合」と呼ばれる）。

過去、女性の同性愛が異性愛者の男性の逸脱的な性的幻想として消費されたのとは違い、「百合」物の主な生産者兼消費者は１０－２０代の異性愛者女性だ。

レズビアンコードを狙った女性アイドルグループメンバーも登場した。少女グループｆ（ｘ）の男装女性ラッパーのアムバが代表的だ。中国系米国人のアムバは中性的、ボーイッシュな容貌を越え、実際に男性のような服装と行動で１０代の少女の間で爆発的な人気を呼んでいる。

同じ男装女性でも、ユン・ウネ（「コーヒープリンス１号店」）やパク・シネ（イケメンですね）がひと目で女性であることが分かるのに対し、アムバは初めて見ると実際に男性のように見える。また、他の男装女性が結局は男性と恋に落ちるのに対し、アムバは少女ファンの女性同性愛的幻想を狙っている。性の固定観念破壊を超えた一種の分離化、その速度感に驚く。


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