ミサイル販売による収入の規模は正確に確認されていないが、北朝鮮がクリントン政権時代に「10億ドル(約960億円)を支払えば、ミサイルの輸出を停止できる」と提案したことから、概略的な金額を推測できる。
90年代後半には年に6億ドルを稼いだという米情報機関の分析もあった。それだけに北朝鮮は、定期的にミサイルの実験発射を通じ、改良型の性能と威力を「輸出市場」でアピールする必要があるわけだ。しかし北朝鮮の思惑は金銭的な計算だけにとどまらない。ミサイルという戦術かつ戦略の兵器が持つ政治的な意味合いを、金正日(キム・ジョンイル)国防委員長が読み取り、活用してきたという点からだ。