「私、李太鉉は帰ってきました。 総合格闘技をしている間は本当に苦しくて孤独でした。 格闘技へ進出しようと考えている後輩のシルム（韓国相撲）選手がいれば必ず引き止める考えです」

‘土俵の皇太子’李太鉉（イ・テヒョン、３２）がシルムファンの前で深々と頭を下げた。 天下壮士（チャンピオン）３回、白頭壮士１８回（李万基と最多タイ）記録を持つ李太鉉は３年前、総合格闘技のプライドＦＣに進出したが、惨めな姿で帰ってきた。

李太鉉は１２日、シルム統合壮士大会が開かれている慶尚南道南海（キョンサンナムド・ナムヘ）で民俗シルム復帰記者会見を行った。 長い間李太鉉のライバルだった‘野牛’キム・ギョンス（３６）も復帰を宣言し、同じ席にいた。 李太鉉は慶尚南道亀尾（クミ）市庁、キム・ギョンスは始興市（シフンシ）体育会所属で来年旧正月のシルム大会から選手として出場する。

李太鉉は「今月１日、３年ぶりに土俵を踏んだ。 つま先に感じる砂の感触が本当に懐かしかった。 帰って来るべきところに来たという気持ちで幸せを感じた」と語った。

李太鉉はなぜ総合格闘技で失敗したのか。 李太鉉は「格闘技を甘く考えすぎた。 相手をリングに倒すまでは自信があった。 しかしその後はどんな技術でどうやって相手を制圧するのか分からなかった。 パンチ・キック・グラウンド技術などすべてのものが未熟で、複雑なルールに適応するのも難しかった」と話した。

シルムは相手の重心を崩して土俵に倒せば勝負が決まる競技だが、総合格闘技は武術技術を総動員し、相手を殴り、蹴り、打ちのめす‘戦いの場’だ。 どんなに優れたシルム選手でもこの戦いの場で生き残る確率は非常に低い。 李太鉉は３年間に３試合をし、１勝２敗を記録した。 ２度のＫＯ負けでは相手に無数のパンチを浴び、血だらけになった。 韓国シルムの自尊心も傷ついた。

李太鉉をもっと苦しめたのは「家族」と「批判」だった。 最初の試合でＫＯ負けした後、妻はみんなの前では「大丈夫でしょうか」と笑って話していたが、２人きりになると「絶対に総合格闘技を続けなければいけないのか」と言いながら泣き崩れたという。 「シルムを裏切って転向しながら、いい様だ」という書き込みも李太鉉の胸に刺さった。

李太鉉は「また帰ってきた自分を受け入れてくれた大韓シルム協会とファンに申し訳なく思う。本当に感謝している。 良い競技を見せて報いたい」と語った。 「崔洪万（チェ・ホンマン）、金英賢（キム・ヨンヒョン）ら格闘技で悪戦苦闘しているシルム出身選手も帰って来てほしい」と話した。

李太鉉はシルム大会が開かれている南海室内体育館を訪れ、復帰のあいさつをした。 李太鉉を記憶する多くのファンは熱い拍手と歓呼で迎えた。