米国・日本は尊厳死認定…ドイツでは「どんな理由でもいけない」
米国は代替で州ごとに尊厳死を認めるが、ドイツは尊厳死を認めない。米国の尊厳死論争は1975年、ニュージャージー州で起きた「クインラン事件」から始まった。21歳の女性であるカレン・クインランさんは75年4月、友達の誕生日パーティーで酒と薬物に中毒し、こん睡状態に陥り、病院に移されたが植物人間状態になった。クインランさんの父は医師から回復する可能性はなく、人工呼吸器なしには生存することができないという説明を聞いた。彼はクインランさんに自然な死を迎える機会を与えるために医者に生命維持装置をはずしてくれと要請した。医師がこれを拒否すると生命維持装置をはずす権限を自分にくれという訴訟を裁判に提出した。州最高裁判所は76年3月、父親の主張を認めた。
米国は2005年にも15年、植物状態で生命を維持してきたテリー・シャイボさん(当時41歳)の栄養供給チューブ除去をめぐり争われた。シャイボさんの夫は、妻が回生の可能性はないとして生命維持装置除去を要求したが、シャイボさんの親は「シアボさんが目をちらつかせて刺激に反応を見せるなど、生きている」と反対した。7年間30件の判決を繰り返したこの問題は。結局チューブの除去が妥当だという裁判所の最終判決で結論付けられた。シャイボさんは給食装置除去13日後に死亡した。