バラク・オバマ次期米大統領がおととい、ジョージ・ブッシュ米大統領と会談し、経済懸案について意見を交わした。オバマ次期大統領はゼネラルモーターズ(GM)を初めとする米自動車ビッグ3に対する資金支援を要請し、ブッシュ大統領はその代わりに自由貿易協定(FTA)を支持することを要求したが、合意には至らなかったという。米国の現実が差し迫ったものであることは事実だ。ビッグ3の従業員は25万人で、下請けまで合わせれば400万人に達する。ビッグ3の破産は恐慌的打撃を招きかねない。オバマ次期大統領が「自動車産業は米国製造業の屋台骨だ」としてGM再興を最優先課題にしたことは驚くことではない。
しかし経済危機の度に保護貿易主義が出現するという歴史的経験が気にかかる。オバマ次期大統領陣営から国内的な見方だけを強調する政策がたびたび出てくることも心配だ。もちろんビッグ3に数百億ドルの救済金融を投入することはできる。米政府が判断する問題だ。しかし米商務省は2003年に韓国政府が産業銀行などを通じて企業構造調整に介入したとして、ハイニックス半導体に44.29%の相殺関税を課したことがある。救済金融投入はそれよりはるかに露骨な政府支援だ。米政府が国際的に2つの措置の違いをどのように説得するのか気になる。