韓国人は米民主党大統領候補のオバマ上院議員が当選し、民主党が上下両院を掌握すれば、米国が保護主義に傾き、韓米間の貿易関係が複雑になるものと懸念している。民主党の理念性向を見ればこうした懸念は妥当だ。民主党は労組の見方を受け入れながら共和党より保護主義の路線を志向する。
しかし4日に実施される米大統領選の結果と関係なく、米国が貿易政策を決定する上で重要な要素は米国が直面する経済危機の深刻さだ。最近の米大統領のうち最も目立った保護貿易主義者は共和党出身のレーガン元大統領だった。レーガン政権は自動車・鉄鋼・機械など自国の産業保護のため貿易制限措置を取った。反対に世界貿易機関(WTO)と北米自由貿易協定(NAFTA)など米国が1990年代以降に実行してきた関税引き下げ措置は、民主党政権が行ったものだ。米国で画期的な貿易政策は大統領選で政権をつかんだ政党の理念よりは、その当時の経済状況にともなう国内的ムードを反映したケースが多かった。いまも同様だ。だれが当選しても、次の大統領は急速な景気減速を防ぐために保護主義的貿易政策路線を取るものとみられる。