自殺は人間が選ぶ最後かつ最悪の行動だ。当事者のすべてのものを奪うだけでなく、家族に消せない後遺症を残す。そのために大半の宗教は自殺を罪悪と見なす。特に仏家では人を殺す悪行(五逆罪)につぐ重罪として警戒する。人命を大事にする韓国社会にいつの間にか自殺の風潮が蔓延(まんえん)している。
有名芸能人が自殺したというニュースが伝えられたおととい、警察庁は、たまたま韓国社会で深刻化している自殺の実像を示す統計を発表した。おととし、韓国の自殺率(人口10万人当たりの自殺者数)は21.5人で、経済協力開発機構(OECD)加盟諸国の中で最も高く、加盟国平均(11.2人)の倍にのぼるという内容だ。昨年、自殺者数は1万3407人で、1日平均37人が自ら命を絶ったわけだ。