2005年11月、中国北京首都空港で、米国と中国の警護チーム間で争いが起こった。中国訪問訪問に発つにあたり、ジョージ・ブッシュ大統領の専用機が到着するのを待っていた時だった。中国警護チームはブッシュ大統領を迎えに出た李肇星外相が乗った乗用車を係留場に先に入場させようとした。しかし米国警護チームは、空輸してきた防弾車10台を先に入れようとした。中国の警護たちが制止すると米国警護チームはそのままアクセレレーターを踏んで相手を突き飛ばした。先に入って行って警護に適切な位置を確保しようとする強硬策だった。中国関係者たちはこんな行動に舌を巻いたという。
2004年11月、チリ・サンディアゴで開かれたアジア太平洋経済協力体(APEC)首脳会議の公式夕食会場でも警護騷動があった。ブッシュ大統領について入っていこうとしていた米国警護たちがこれを阻むチリ警察と争ったのだ。ブッシュ大統領は直接、体ごと割りこんで警護たちを救出、夕食会場に入っていった。米国世論はブッシュ大統領の人間的な面に好感を示したとしても、多国間会談で正常の公式行事に警護の出入りを禁止する外交慣例はしっかり破ったのだ。9・11テロ以後、被撃の恐怖と安全追求心理がそれだけ敏感になったものと理解しなければならないか。