シンガポールから南中国海(南シナ海)に出入りするところに‘ペドラ・ブランカ’という名前の無人島がある。 過去の文献では、風浪にあった船がしばらく休んでいくところという記録と、少なからず船がこの島にぶつかって座礁したという記録がともに出てくる。 それほど通航路で重要な位置にあるということだ。 この島は潮が引いて最も大きい時でも長さ130メートル、幅60メートル、面積8560平方メートルと、独島(ドクト、日本名・竹島)の20分の1にもならない。
この小さな島をめぐりシンガポールとマレーシアは28年間、領有権紛争を繰り広げてきた。 この島は19世紀にシンガポール一帯を支配した英国の管理下にあり、植民支配が終わった後はその継承者であるシンガポールが‘実効支配’を続けてきた。 紛争が始まったのは1979年、マレーシア政府が発刊した公式地図にこの島を自国の領土と表示してからだ。 シンガポールは公式抗議とともに、島周辺でのマレーシア漁船の操業活動を禁止した。