「この牛乳のＣＯ２（二酸化炭素）排出量総量は２００グラムです」－－。

欧州各国の流通会社が販売商品の環境情報を消費者に知らせる、環境に配慮したラベル制を先を争って導入している。

フランスの経済日刊紙「レゼコー（Ｌｅｓ　Ｅｃｈｏｓ）」によると、巨大スーパーチェーン「カジノ（ＣＡＳＩＮＯ）」は年末までおよそ１０品目に対するラベルを付着する。

グリーンラベルには製品の炭素情報が表示される。例えばガラス製のビンに入っているヨーグルト１セット（１００グラム入りのビン４本）のＣＯ２排出量は３１０グラムだ。ＣＯ２排出量の計算は、牛乳の基本原料となる牛の飼料などを耕作する時点から始まる。そして「工場生産→スーパーマーケットに運搬→冷蔵庫に保管」の過程を経て消費者に販売される時点まで、段階別に表示される。

商品の移動距離も重要な要因だ。同じ乳製品でもフランス産はＣＯ２排出量が２２０グラムだが、ウクライナから来たものは３００グラムを超える。炭素情報の計算は外部の専門会社が行う。

包装容器のリサイクル等級も表示される。リサイクルプラスチックは１等級、一般ビニールは３等級だ。家電製品にエネルギー効率の等級を表示するのと同じ原理だ。

英国の大手スーパー、テスコも先月、ＣＯ２排出量の表示を導入すると発表した。現在約２０品目にＣＯ２排出量を表示したラベルを付着している。テスコはまた２０１０年まで包装資材の２５％削減を目指す。

スイスのスーパーマーケットチェーン、ミグロスは品目別にエコチャンピオン商品を選定する「クリマトップ（ＣＬＩＭＡＴＯＰ）」制度を導入した。いくつかの品目を決めて同じ商品群の中からＣＯ２排出量が最も少ない製品を選び、ラベルを付ける方式だ。

欧州の各企業が環境配慮の情報公開に乗り出した理由は、エコ問題に対して消費者の関心が高くなったためだ。それだけ消費者が商品を購入する基準として「環境にやさしい製品か」の比重が大きくなった。各企業の間に環境配慮への競争を誘導しようという目的もある。

フランス政府もエコ運動を積極的に主導している。ボルロー仏環境相は最近「日常生活で頻繁に利用する約１０の商品群に対し、ＣＯ２排出量に応じ割引・割増制度を導入する」と発表した。ＣＯ２排出量が少ない商品に対しては、補助金を支給して価格を割引し、基準値より多い商品には税金を課す制度だ。フランスはすでに今年初めから自動車に対し同制度を導入し、消費者の自動車購入のパターンをすっかり変えた。




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